Hasegawa 1:72 BAC Lightning F Mk.6
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開封編
箱絵に魅かれて、買ってしまった。
中身はこんな感じです。
パーツ数は極々少ない。キャノピーは撮り忘れたが時代相応のもの。
豪快なバリである。
かわいらしいパイロットもいます。
存在感のある凸モールド。これを凹にする。
スジ彫りにあたってネットで情報収集をしました。ダイモテープをガイドにしている例が多い。こいつはヨドバシで購入しました。彫る道具はBMCタガネが人気がある模様。近所の模型屋に置いてなく、代わりにファンテックのスジ彫りカーバイトを購入。調べている過程で0.2は太すぎる感触を持ったため、0.15mmの方を選択しました。
試しに主翼の裏面を彫ってみました。ダイモテープは粘着力が強く、びくともしません。ガイドとして沿ってなぞれば、比較的安易に溝ができます。難点としてはダイモテープの端が擦れて、顔料がプラに被着することでしょうか。ブラシと石鹸で削ぎ落したが完全には取りきれませんでした。
工作編
「世界の傑作機(通称:世傑)」を入手し、図面とキットを見比べてみました。
自信満々にモールドが間違っています(特に主翼)。
世傑を参考に妄想全開のパネルラインを彫り直しました。
両主翼、尾翼(上面下面)は終わり、胴体に着手。
インテークを開口加工し、尻もち防止の重りは板鉛を機体内壁に強力両面テープで固定。
機首部分の長さが左右で異なります。右側面の方が若干短めですorz。といっても極くわずかでしたので、0.13mmのプラペーパーを貼り付けて解決。
キャノピーと胴体に出来たダイナミックな隙間は0.5mmのプラ板とポリパテで調整しました。
パイロットは載せるか否かで割れるところですが、金型師さんに敬意を込めて載っけることに。
キャノピーのすり合わせに着手。
キャノピーは機体と幅が合わなのに加え、先端部が浮いてしまう。一体成型ならまだしも前後で二分割されているためすり合わせるのに苦労した。機体にポリパテを盛り、余分な部分は削り取る。全体が嵌まり合うまでそんな作業を繰り返してなんとか力技で切り抜けた。
引き続き、凸モールドを凹モールドにする作業。イラストで示した座席横のパネルラインは形状が大幅に単純化されていて、実機とは似ても似つかない。ここは目立つ部分なので神経を遣った。ガイドのテープから脱線がすると、修正に手間がかかる。アールのきつい四隅は、ニチバンのクリアーラインテープ(曲線用)を切り抜き、ガイドとして使用。硬めの塩ビのような材質で、厚みは十分だがマスキング用途故、粘着力には不安がある。0.15mmのスジ彫りカーバイトバーで軽くなぞりの少しずつの作業。案外綺麗にスジ彫りができた。
キットのシートはいたって簡素なもの。
これではやる気が感じられない。ネットの資料を参考に追加工作をすることに。
パイロットが脱出するときに引く黄色と黒の縞々の輪っかを付けた。「フェイスカーテンハンドル」という正式名称があるのは知らなかった。
⌀0.3mmの真鍮線を曲げて接着。
縞々を描くのは大変だったが、赤いバーの部分と相まっていいアクセントに。
主脚のカバーは実機とかけ離れている。プラ板を削りくぼみを作り、ポリパテでスクラッチ。
工作はほとんど終わり。
完成
終盤、夢中になって写真を撮り忘れました。いきなりですが完成です。
なかなか、かっこいい。
せっかくなので、撮影ブースを作った。100W相当のLEDライトと、障子紙を買ってきて造作。梱包に使われていた半透明の紙で光を和らげた。
しばらく試行錯誤。カメラの測光モードを調整したら、なかなか良い感じに撮れた。
雑感
なかなか手のかかるキットではあった。部品同士はきっちり嵌まらない。再現度も???である。
今では、博物館等に展示されているこの機体も、金型が作られた時期は、当時最新鋭の軍用機であって、まじかに観察するのは難しかったのだろう。特に主翼は資料が少なかったのか、パネルラインが大幅異なっていた。全体として、金型の設計者が想像力を駆使し辻褄を合わせようとした、その努力はくみ取れる。しかし、やはり脚カバーの大雑把な造形と合わせ、「適当な作り」と評価されざるを得ないキットだった。「ヒコーキのハセガワ」がこのようなものを販売し続けていいのだろうか、そんなおせっかいな心配さえ浮かんだ。
作るにあたってモールドを彫りなおした。それにコクピットにも手を加え、脚のカバーは一部スクラッチした。随分時間を使うことになった。エアフィックスやトランぺッターのキットだったら必要ない工程である。
3,000円、4,000円する海外メーカーのキットではなく、1,000円弱のこの旧キットの長所を挙げれば、その「自由度」であろうか。中級モデラーにとっていい腕試しにはなるが、悪く言えば「放任」。初心者は苦労すると思う。そんな一品であった。